アラスカンマラミュートの莱夢のものがたり「第29話 家庭犬訓練試験初等科に挑戦」です。

アラスカンマラミュート Prime Snow 〜莱夢といた日々〜

 第29話 家庭犬訓練試験初等科に挑戦 


 JKCチャンピオンになるためには、いくつかの条件がある。その条件の1つに、「家庭犬訓練試験初等科(CD-1)以上に合格していること」があった。2002年5月、莱夢の所有するCCは3枚だったけど、4枚すべて集める前に、CD−1を受けておいて損はないはず・・・。そんな訳で、さっそくCD−1を受験することにした。

 訓練試験は、JKC公認訓練所、またはドッグショー会場で併催される「公開訓練試験」で受験する事ができる。スケジュールは「家庭犬」などに記載されているのですぐに確認できた。 ちょうど近場のドッグショー会場で公開訓練試験が行われることがわかった。受験日は、2002年6月15日となった。でも、肝心の試験課目と申込方法はよくわからない・・・。JKCに問い合わせると、用紙と資料を送ってくれるとのことだった。

 取り寄せた受験登録申請書に、詳しい試験項目が記載されていた。試験内容は「紐付き脚側歩行」、「立止」が必須課目、その他に自由選択で3課目を選択できた。あらかじめ受験課目を決めて、申込み時に申請することになっている。自由選択課目の中で、莱夢が得意で確実で出来る課目はなにか・・・?私は考えた末、次の課目を受験することにした。文章で書くとやたら難しそうだけど、莱夢がふだんから自然にやっていることだから大丈夫だろう・・・。

必須課目
紐付脚即行進 犬を人間の左側につけて、コの字型、30メートルのコースを往復する。(中等科の科目以上では往路は常歩、復路は速歩で行う。)
立止 犬を所定の位置に脚側停座をさせる。指示により、指導手は犬に立止を命じ、犬が立止して約3秒経過後、指示により犬を脚側停座につけて終わる。
指導手が移動する事なく、直立したまま行えれば理想的である。
自由選択課目
据座 犬を所定の位置に脚側停座をさせる。
指示により、指導手は犬に『マテ』を命じて、常歩で犬から10メートル前方に行き、犬と対面直立する。
約30秒経過後、指示により指導手は犬の元へ常歩で戻り脚側停座の位置で直立し終わる。
お手・おかわり 犬を所定の位置に脚側停座をさせる。
指示により、指導手は犬と対面し、一旦直立して節度をつけてから、犬に『オテ』を命じて、犬の片方の手首と握手し、指示によりもう一方の手首と握手した後、指導手は直立し節度をつけてから指示により脚側停座につけて終わる。
指導手が差し出す手は、片手のみとする。
(指導手が犬の手をとりにいくような誘導的態度は認められない。)
停座及び招呼 犬を所定の位置に脚側停座をさせる。指示により、指導手は犬に『マテ』を命じ、犬の10メートル前方で対面し直立してから、約3秒経過後、指示により犬を招呼する。
犬は指導手の脚側に停座するか、又は指導手の直前に一旦、対面停座をしてから、脚側停座につけて終わる。

アラスカンマラミュート 画像 さて、受験日の6月15日。緊張しながらショー会場に向かった。CD−1は紐付きの受験が認められているが、リードはどうしよう?ショー用のリードにしようか、お散歩用のリードにしようか・・・。考えた末、いつも使っているお散歩用のリードで受験することにした。試験はショーリングから少し離れた場所で行われていた。パドックの裏で、人も犬もよく通る場所だった。こんな場所で莱夢は集中してくれるかな?ちょっと不安になったけど、こういう場所でしっかりとコマンドに従ってこそ、「合格しました!」と、胸を張っていえるのかもしれない・・・。

 試験はどの課目も基本姿勢から始まる。基本姿勢とは、指導手が立っている左手側に、犬が指導手と平行して座っている状態のことで、「脚側停座」と呼ばれている。私の左側に座ることは、莱夢とってふだんから当たり前のことだった。これは難なくクリアできた。さて、いよいよここから試験開始!

 (1)紐付脚即行進
 基本姿勢から試験官の指示で歩き始めた莱夢。コの字型に、10メートルずつゆっくり歩いたのだけど、下ばかり気にして、私より前に歩きがちだった。なんだか前途多難な予感・・・。

 (2)立止
 基本姿勢から試験官の指示で「立って」とコマンドを出したのだけど、そのときつい、リードを引き上げてしまった。それでもちゃんと立ってくれた莱夢。「ステイ」と声をかけて、そのままの姿勢をキープ。試験官の指示でまた基本姿勢へ。「座れ」のコマンドに莱夢はちゃんと従ってくれた。とりあえず、ほっとした私だった。

 (3)据座
 これは、ふだんからよくやっている「待て」なので、莱夢は完璧にこなした。「待て」の一声で微動だにせず待っている莱夢。楽勝でしょう?!

 (4)お手・おかわり
 基本姿勢から試験官の指示で「お手」のコマンドを出した。ちょっと遅れて、おずおずと「これでいいの?」と莱夢が前足を差し出した。いいんだよ、これで。「お手」ができれば「おかわり」は楽勝だった!あと、ひとつ!

 (5)停座及び招呼
 これも「待て」の応用編。でも、「おいで」でちゃんとこちらに来てくれるか不安・・・。基本姿勢から試験官の指示で「待て」とコマンドし、私だけ10メートル進む。後ろを振り向きたい誘惑にかられつつ停止位置へ立ち、莱夢と対面。試験官の指示で「おいで」と呼ぶと、莱夢は嬉しそうに歩いてきてくれた。「座れ」とコマンドを出すと、私の目をみながらちゃんと左側に座った莱夢。よぉし、えらいぞ!!これで試験はすべて終了。さてさて結果は・・・。

 やりました莱夢ちゃん!なんと、50点満点中、45.8点!評価は一番高い「優」!どの課目も、私と莱夢が生活する上で、ごく自然に行ってきたものばかり。とは言え、キチンと定義された試験となると、やっぱり緊張した・・・。なにごとも毎日の積み重ねだと思うので、これを機にいっそう信頼関係を深めて、日々精進していきたい。

必須課目
紐付脚即行進  8.8
立止  9.0
小計 17.8
自由選択課目
据座 10.0
お手・おかわり  9.0
停座及び招呼  9.0
小計 28.0
審査結果
合計 45.8(評価:優)
審査短評 紐及び体符による誘導があったが、各課目の理解度は十分である。

 さて、CD−1に合格した莱夢。あとは最後のCCを取得すれば、すぐにでも莱夢はJKCチャンピオンになれる!ところがこの頃から、ドッグショーにおける私と莱夢のパートナーシップに、少しずつ歪みが出始めていた。私と莱夢のチャンピオンシップは、長く、辛い試練のときを迎えようとしていた。