アラスカンマラミュートの莱夢のものがたり「第16話 初シーズン到来」です。

アラスカンマラミュート Prime Snow 〜莱夢といた日々〜

 第16話 初シーズン到来 

 生後7ヶ月〜9ヶ月にかけて、女の子は初めての発情を迎える。2000年の5月に入り、莱夢も生後7ヶ月を迎えた。私はすぐに発情を迎えるものだと思い、毎日毎日「昨日も来ない、今日も来ない」と心配していた。ガタイのよい莱夢、もしやニューハーフだったりして・・・・!?と、まで思う始末。5月の中旬が過ぎたころから、莱夢にも少しずつ発情の兆候が現れはじめた。

 まず、散歩中にやたらと匂いを嗅ぐようになった。そして、マーキングらしい行動−ちょっとずつオシッコする−をとるようになった。しかもオシッコの後で、後ろ足で砂をかける仕草をするようになった。興奮して「ガウガウ」言うことも多く、「反抗期?」と思わせる態度も見られた。脚を開いて陰部を見ると、筆のようだった箇所が少しずつ開いてめくれあがり、イチジクのようになってきた。(う〜ん、生々しい表現・・・)そして、莱夢は陰部をなめるようになった。こ、これは近いぞ!

 5月25日、仕事から戻って莱夢をハウスから出し、食事の支度をしているときのことだ。床に、ごく薄い血のようなものが付いていることに気がついた。これって、もしかしてもしかしたらもしかするかも?!キッチンとの境にあるゲートの横に座った莱夢を呼び寄せ、莱夢がいた場所の床をチェックする。と、なんと床に血が付いていた!!これは紛れもなく発情によるヒート(出血)!!私は「莱夢、大人になったね!」と莱夢を抱きしめ、思わず涙ぐんでしまった。ぬいぐるみのようにあどけなかった莱夢。ケージの中でウンチまみれになって鳴いていた莱夢。反抗しながらも私を受け入れてくれた莱夢。少しずつマナーを覚え、私を信じて付いてきてくれた莱夢。近頃ぐんと落ち着いて、すっかり手の掛からなくなった莱夢。その莱夢が、新しい生命を次の世代に繋ぐ能力を神様から授かったんだ。生命って、なんて不思議なんだろう。

 翌日はお赤飯を炊いて莱夢のお祝いをした。だんな様に感想を聞くと、「よく判らないよ」と、困惑気味だったけど・・・。

 実際に発情がはじまると、予想以上に大変だった。なんせ莱夢ときたら、血液をポタポタと滴らせながら平気で部屋中を歩くんだから。莱夢自身、自らの身体に何が起きているか判らない様子だった。もちろんカーペット類はすべて撤去。莱夢が垂らした血液を、雑巾を持って追いかけながら拭いてまわる毎日がはじまった。それでも、オムツなどはいっさいしなかった。自分でなめることを覚えさせれば、2回目以降は発情がきているか判らないほどキレイにしてしまうらしい。五月ちゃんもクリスちゃんも、そうして覚えていったそうだ。莱夢も日を追うごとに陰部をなめ、自分で処理できるようになってきた。

 安心したのもつかの間、発情が佳境に入る頃、私は莱夢と一時離れて過ごすことになってしまった。