アラスカンマラミュートの莱夢のものがたり「第12話 ドッグショー見学」です。

アラスカンマラミュート Prime Snow 〜莱夢といた日々〜

 第12話 ドッグショー見学 

 莱夢とはじめてドッグショーを見たのは、2000年3月25日のことだった。場所は、東京ビッグサイト。日本で一番大きな規模のドッグショー、「FCIアジアインターナショナルドッグショー」だった。私も莱夢も、はじめはこのドッグショーに出るつもりでいた。(知らないってことは怖いですね・・・)発端はブリーダーさんのひとことだったと思う。「たくさんマラミュートが集まるショーがあるから、莱夢も来てみる?」私は「見るよりもやってみたい!」と熱望したのだけれど、ショーに出陳できる年齢に莱夢が満たないことがわかった。莱夢はショー当日、生後6ヶ月未満!まだ「ベビークラス」だった・・・。そんな訳で、結局見学することとなった。

 当日、朝早いことに驚いた!早朝4時半(!)に有明周辺で待ち合わせをする・・・。屋内の会場に出陳する犬や道具類を運び込むため、早朝から門の前には長蛇の列が出来ていた。会場入りしてまた驚いた!まず、におい・・・。はっきり言って「くさい・・・」。出陳者によっては、パドック内に犬のトイレを設置してることがある。そこにしてあるウンチやおしっこ、会場の熱気、犬の体臭などが混ざって、会場内はなんとも言えない異臭に満ちていた。そして犬達のけたたましいまでの鳴き声・・・。パドック内のバリケンには、たくさんの犬達がスタンバイしている。隣り合う犬どうしでじゃれて吼えている子。興奮して騒いでいる子。1000頭を超える犬達が、ひしめき合っていた。ブリーダーさんに与えられたパドックに着くと、さっそくバリケンを組み立て、トリミングテーブルをセッティングし、犬達のトリミングがはじめられた。どの子も誇らしげに、ショーの雰囲気を楽しんでいるようだった。

 お手伝いと言っても何もできないので、莱夢と会場を散策してみた。莱夢ははじめてのショー会場の雰囲気に臆することなく、尻尾を挙げて堂々と歩いた。私まで、「なんだかこれから莱夢とショーに出るみたい!」と、ちょっと気持ちが大きくなった。あちこちのパドックでは、プロのトリマーによって犬種本来の美しさを引き出されつつ、さらに磨きをかけられた犬達がたくさんいた。なんて、華やかできらびやかな雰囲気なんだろう・・・。

 さて、いよいよドッグショーがはじまった!私は「ショー」と言うのだから、「ファッションショー」みたいに犬達が歩くだけだと思っていた。実際のショーは、はっきり言って何だか訳がわからなかった・・・。着飾ったハンドラーに引かれ、犬達がリング内に順番に走りこんだと思ったら、1頭ずつ触られたり、審査員の指示で走ったり、また全体でリングを走ったり・・・。同じ犬種なのに、何回も似たようなことが繰り返されたり・・・。ルールもわからないし、意味もわからない。でも、この日のために美しく仕上げられた犬達の誇らしげな走りと、その堂々とした立ち姿に感激しまくっていた。「すごい!ただ走るだけなら莱夢にもできるかも・・・。これ、やってみたい。私の自慢の莱夢を、たくさんの人に見てもらいたい!」まさに親ばか。知らないってことは本当に怖い・・・。

 ドッグショーをたった一度見ただけで、私は「莱夢とショーに出てみる!」と、すっかり乗り気になっていた。ブリーダーさんに「来年は莱夢も出ます!」と意気込んだ私だった。右も左もわからない、ルールもマナーも知らない、そんな私と莱夢が、後にJKCチャンピオンを目指して悪戦苦闘(?)することになろうとは、誰が予想していただろう・・・。