アラスカンマラミュートの莱夢のものがたり「番外編4 パパとママとペットの住宅事情」です。

アラスカンマラミュート Prime Snow 〜莱夢といた日々〜

 番外編4 パパとママとペットの住宅事情 

 莱夢も北斗も、私の勝手な都合で複雑な育ちになってしまった。2度の引越しと2人目のパパ・・・。最初のパパとは2003年の初夏にお別れした。そして、今のパパが正式に「パパ」になったのは、2005年の春から。よい縁に恵まれて、再婚することになったのだ。彼は私との付き合いの中で、ごく自然に莱夢と北斗を受け入れてくれた。結婚前からキャンプや旅行に行くときは、快く莱夢を連れて行ってくれたし、私の彼らに対する過剰なまでの愛情をよく理解してくれた。結婚した現在も、彼は言わば「連れ子」の莱夢と北斗を心から可愛がってくれているし、莱夢も北斗も愛情深く穏やかな彼によく懐いている。

 今は穏やかな毎日を穏やかに過ごしている私たちだけど、再婚することにあたり、大きな問題が立ちはだかった時期があった。それはずばり住宅事情。「どこに住むか?」だった。正確に言えば、「莱夢と北斗を連れてどこに住めるか?」だった・・・。私にとって莱夢と北斗は我が子も同然で、決して離れることの出来ない大切な家族だった。再婚するからと言って実家においていくことなど、とても考えられない・・・。離れるならば、いっそ再婚などしない。この感覚は、動物と寝食をともにし、心を通わせた人でないと理解しがたいかもしれない。

 大型犬と猫が安心してのびのびと暮らせる住宅・・・。はっきり言って、賃貸ではなかなか難しいのが日本の住宅事情だと思う。彼の両親からは、「ペットを連れてくることで住む家が限定されるならば、おいてくるべきでは?」と連れて行くことを反対された。当然なのかもしれない。でも、私たちには「莱夢と北斗をおいていく」という選択肢は初めからなかった。私たちは彼の両親を説得しながら、どうすればよいか話し合い続けた。調べれば調べるほど、賃貸では難しいし、納得のいく物件など皆無だった。ドッグラン付きの賃貸ペットマンションがあったが、家賃は割高だし通勤には不便・・・。彼の勤め先から通勤圏内で探すと、どうしても見つからない。いっそ住宅を買ってしまったほうが、月々のローンがペットマンションの家賃以下で抑えられた。2人の中では「金f利の低い今こそ、無理してでも家を買ってしまおう!」と決まった。でも、それを彼の両親に納得してもらうには、かなりの時間がかかった。彼は長男なので、彼の両親が「継ぐべき家があるのに、わざわざペットのために家を買うなんてバカげている」と思うのも無理はない。

 彼の両親は、「ペットを連れてこなければ賃貸ですむのに」とか、「身の丈にあった暮らしをしなさい」とか、「いずれ子供が生まれたらどうするの?」とか、ごく一般的な意見で私たちを諭した。もっともな意見だったけれど、どうしても私たちには受け入れられなかった。私は、彼への愛情と莱夢たちへの愛情を秤に掛けていること悩み、苦しんだ。彼は彼で私と両親の間に挟まれて悩んだ。結局彼は、両親を捨てる覚悟で住宅の購入を進める決心をしてくれた。こうして半ば強引に家探しが始まった。私たちにも購入できて、通勤にも便利な場所にある物件・・・。ようやく納得のいく手頃な物件が見つかったのは、2005年の2月だった。場所は埼玉県の川越市。川越駅から徒歩圏内で、通勤にも便利、莱夢が散歩できるような大きな公園も近くにある。私たちは彼の両親の了解を得ないまま、契約に踏み切った。こうして、ようやく住む家が見つかった。

 その後、彼の両親にはお詫びとともに事後報告をした。両親は半ば呆れつつも、私たちの強い意思を尊重してくださり、勝手な行動を赦してくださった。また、今後の2人の結婚生活を心から応援してくださった。実際に結婚生活が始まり、莱夢と北斗が掛け替えのない家族として2人に深く愛されている現状を見て、彼の両親は少しずつ「動物と暮らす喜び」を理解しようと努めてくれている。とてもありがたいことだと思う。

 私たちは何とか莱夢と北斗を連れて引越すことができた。日本のペットにおける住宅事情はかなり厳しいのが現状なので、たまたま運良くことを運べただけだと思う。大型犬と猫が安心して暮らせる賃貸住宅がたくさんあったら、家賃も一般の賃貸住宅と差がなければ、精神的にも経済的にもこんなに厳しい状態で新生活のスタートを切らずにすんだのに・・・。「ペット可住宅」でも、大型犬の場合はNGな場合が多い。大きいからってなぜダメなの?鳴き声が大きいから?足音が響くから?ちゃんとしつければ、小型犬も大型犬も関係ないと思うのだけど・・・。

 ペットの住宅事情が改善されない1番の原因は、悲しいけれど飼う側のモラルが低いことだと思う。ペットブームと言われる昨今、安易にペットを飼い、ロクなしつけもせず、鳴き声や排泄物、毛の始末などで近隣に迷惑を掛ける困った飼い主が増えていないだろうか?また、ステイタスシンボルのように珍しい犬種やカラー、サイズを求め、その犬種の成り立ちや性質を理解しないまま、安易に飼いはじめる飼い主もいるのではないだろうか?もちろんすべての飼い主がそうであるとは思わないが、ブームの影で一部の心無い人々が増えているのは事実だと思う。飼い主とペットとの心豊かな暮らしは、飼い主の努力なしでは決して得られない。ペットブームだからこそ、飼い主のモラル向上を求めてやまない。いつか日本にも、ペットの種類や大きさに左右されることなく、気楽に住まいを選べる時代が来ればいいのだけれど・・・。